抜歯後はすぐにインプラントを入れる?抜歯即時埋入法と抜歯待時埋入法の違いについて|千葉市稲毛、京成稲毛の歯医者

抜歯後はすぐにインプラントを入れる?抜歯即時埋入法と抜歯待時埋入法の違いについて

インプラントは、虫歯や歯周病などで失った歯を補うための治療方法です。インプラント治療を受けるにあたって抜歯が必要と診断された場合、抜歯後すぐにインプラント治療ができるのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。本記事では、抜歯即時埋入法と抜歯待時埋入法の違い、インプラント以外の抜歯後の選択肢についてご紹介します。

抜歯即時埋入法(ばっしそくじまいにゅうほう)って?

抜歯即時埋入法とは、抜歯と同時にインプラントを埋める治療方法のことです。インプラント治療を行う際、抜歯が必要な症例では、抜歯後約1~6か月待ち、歯ぐきと骨が治癒してからインプラントを埋めるのが一般的です。しかし、近年ではインプラントと骨が結合しやすいチタンが開発され、状態が安定していない抜歯後の顎の骨にも使えるようになりました。一定の条件を満たし、洗浄や消毒など処置をしっかり行なっていれば、抜歯後すぐにインプラントを埋めることができます。

 

抜歯即時埋入法のメリット

抜歯即時埋入法には、以下のメリットがあります。

・抜歯と同時にインプラントを埋めるので、外科手術が1回で済み、通院回数を減らすことができる

・抜歯後、治癒するまで待つ必要がないため、治療期間が短縮できる

・抜歯した部分にインプラントを埋入するので、歯ぐきの切開をする必要がなく、痛みや腫れが少ない

・抜歯と同時にインプラントを埋入することにより、抜歯した部分の骨の吸収を抑えることができる

 

抜歯即時埋入法のデメリット

抜歯即時埋入法には、以下のデメリットがあります。

・顎の骨の厚みが不足している場合や、骨がやわらかい場合は適応にならないことがある

・治療できる歯科医院が限られている

・抜歯とインプラントを同時に行うため、感染症対策をしっかり行なっている歯科医院でないと感染症のリスクが高まる

 

抜歯待時埋入法(ばっしたいじまいにゅうほう)って?

抜歯待時埋入法とは、抜歯後、約1~6か月間待ち、歯ぐきと顎の骨が治癒してからインプラントを埋める方法です。抜歯即時埋入法のように高度な技術が必要なくインプラント治療を行えるため、多くの歯科医院で行われています。また、顎の骨がやわらかい方や量が少ない方など多くの症例に対応できます。

虫歯や歯周病などによって抜歯が必要と診断された歯は、顎の骨が痩せていたり歯ぐきが大きく下がっていたりします。その状態で抜歯即時埋入法を行うと、感染症のリスクが高まったり、治療後の見た目に悪影響を与えたりする可能性があります。抜歯待時埋入法はそのようなリスクを回避するために行われ、抜歯後、歯科医師の診断によって適切なタイミングでインプラント埋入手術を行います。

 

抜歯待時埋入法のメリット

抜歯待時埋入法には、以下のメリットがあります。

・顎の骨が回復してからインプラントを埋めるため、理想的な位置に埋めやすく、初期固定も安定しやすい

・顎の骨が安定するまで待つことにより、インプラント治療の適応範囲が広がる

・感染症のリスクを最小限に抑えられる

 

抜歯待時埋入法のデメリット

抜歯待時埋入法には、以下のデメリットがあります。

・顎の骨が回復するのを待つため、治療期間が長くなる

・外科手術が2回必要になるため、心身の負担が増える

・抜歯した部分の骨が痩せやすいため、審美的な問題が生じることがある

 

インプラント以外の抜歯後の選択肢

抜歯後、治療せずに放置すると、抜いた箇所の隣の歯が倒れたり、かみ合う歯が伸びたりして歯並びとかみ合わせが悪くなります。それにより、残っている歯への負担が大きくなってさらに歯を失う原因になるため、抜歯後は歯を補うことが望ましいです。歯を補う治療方法は、インプラント以外に「ブリッジ」と「入れ歯」があります。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を土台にして、人工歯を橋のように架ける治療方法です。失った歯の両隣の歯で人工歯をしっかり支えるため、安定感があり、かみ心地も自然なものになります。保険適用の素材もあるため、失った歯を補う治療方法の中でも取り組みやすいものです。

しかし、両隣の歯が健康な場合でも、大きく削る必要があります。また、ブリッジは、人工の歯と土台の歯との間に汚れがたまり、ケアを怠ると虫歯や歯周病になりやすいデメリットがあります。

 

入れ歯

入れ歯は、残っている歯にバネをかけて失った歯を補う治療方法です。ブリッジのように歯を大きく削る必要がなく、どの位置の歯がなくなっても、失った歯の本数が多くても入れ歯の作製は可能です。ご自身で取り外しが行えるため、お手入れも簡単にできるのがメリットです。

しかし、バネをかけた歯に負担がかかったり、見た目が目立ったりすることがあります。また、インプラントやブリッジと比較すると、硬いものが噛みにくいといったデメリットもあります。

 

まとめ

抜歯即時埋入法は、抜歯後すぐにインプラントを埋める、対して、抜歯待時埋入法は、抜歯後、歯ぐきと骨が回復するまで約1か月~半年間待ってインプラントを埋める方法です。両者ともメリット・デメリットがあり、お口の中の状態によって適切な治療方法が異なります。インプラントを検討している方は、歯科医師とよく相談し、治療内容を理解したうえで始めることが望ましいです。