お子様の歯が将来にわたって、美しく健康であるために。
お子様の乳歯の虫歯や良くない歯並びは、どうせ抜けて大人の歯に萌え変わるから放っておいてよいというわけではありません。
虫歯がなく歯並びの良い大人の歯にするためには、乳歯の時からきちんと管理し、歯を磨いていく習慣を身につけていくことがとても大切です。
わたしたちは、小さいお子様の歯のケアをお家の方と一緒に見守っていきたいと考えております。
子どもの歯のケア
子供の歯の生え変わりには個人差があり乳歯で3~6ヶ月位、永久歯で1~2年位異なる事があります。
乳歯は生え変わるからと言っておろそかにはできません。とても大切な役割を担っています。
乳歯の大切な役割
- 食物をかむ
- 発音を助ける
- 顔の形を整える
- 永久歯が正しくはえる案内をする
お母さんと子供の歯のケアについて
毎日の歯磨きが大切ということはわかっていても、赤ちゃんの口に無理やり歯ブラシを入れて歯を磨こうとしても、なかなかうまくいくものではありません。ステップを踏んで、焦らず、楽しく歯みがきをしてあげてください。お母さんの膝の上に赤ちゃんの頭をあおむけにのせて、やさしく話しかけながら磨いてあげましょう。
はじめは、きれいに磨くことより、歯みがきに慣れることが大切です。
また、子供用の歯ブラシは特に毛の柔らかいものを探してください。
硬いものに慣れないように!
虫歯になる原因
人間のお口の中にはたくさんの細菌が住んでいます。
しかし虫歯菌は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には住んでいません。
様々な研究結果から、虫歯菌は乳幼児期に主に保育者から感染することがわかっています。
また、虫歯菌に感染する時期が遅ければ遅いほど、その後の虫歯の本数が少ないと言われています。
子供の虫歯予防には、虫歯菌の感染をなるべく遅らせることが大切です。
かといって、赤ちゃんとのスキンシップを絶ってまで感染に対して神経質になることはありません。
スキンシップは赤ちゃんの健やかな成長を促すとても大切なものです。
自身の口腔内のケアをしっかりと行い、お口の中の清潔を保ち、赤ちゃんと接するよう心掛けましょう。
乳歯の大切な役割
強い歯をつくる
栄養のバランスのとれた規則的な食事は、お子さんの健康で丈夫な身体をつくり、虫歯に対する抵抗力を高め、歯質のよい強い歯をつくります。
虫歯菌を減らす
歯の表面にすみついている細菌は、300~400種類もいます。またプラーク(歯垢)には、1mg(湿重量)あたり1億個以上も細菌がいます。このうち、虫歯の原因となる細菌は、糖分を原料にして歯の表面をとかす強い酸を出します。歯みがきによって、こうした細菌をできるだけ少なくします。
甘いものを減らす
糖分は、虫歯菌の養分になりますから、甘いお菓子やジュースなど、糖分の多いものをできるだけ控えるようにします。
乳歯の生え変わり~6歳臼歯
小学校に入学するころから、乳歯が抜け始め永久歯が生えてきます。この時期の口の中は、乳歯と永久歯が入り交じりデコボコして複雑です。
特に「六歳臼歯」と呼ばれる最初の永久歯は、物を噛みくだく力が一番大きく、永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となる重要な歯。完全に生えるまでに約1年かかるため、手前の乳歯より背が低く、生えたのに気づかなかったり、歯ブラシの毛先が届きにくかったりして、虫歯になりやすい状態にあります。
正しい歯の磨き方を教えたり、仕上げ磨きでお子さんの歯の健康を守ってあげましょう。
六歳臼歯が少しでも生えたら、これまで以上に良く磨きましょう。
六歳臼歯とは
永久歯の中で下の前歯とともに最も早く生えてくるのが、下の第一大臼歯です。この歯は六歳頃はえてくるので六歳臼歯と呼びます。
六歳臼歯の大切さ
- 最も大きく、最も噛む力が強い
- 上下の噛み合わせの基準となり、他の永久歯が正しくはえるガイドとなる
六歳臼歯は虫歯になりやすい
- 一番奥にはえるので気がつきにくい
- 大きな歯で歯肉を破って出てくるのに時間がかかる
- 乳歯より一段低いので磨きにくい
- お母さんがチェックしなくなる年頃で、自分でも完全には磨けない。ブラッシングが大切です。
自宅での子どもの虫歯予防
虫歯は、大切な歯の働きや形をそこなう、一番の大敵です。
歯についている細菌が、食べ物のカスにある糖分を栄養にして、次第に歯を溶かしながら虫歯は進んでいきます。
子供は一人で上手に歯磨きができないため、プラークコントロールが不十分になります。
乳歯は食べカスがたまりやすく、しかも子供の好む食べ物には粘着性があるため、虫歯菌が酸をさかんにつくりだしてしまいます。
乳歯は永久歯に比べ、エナメル質も象牙質も半分の厚さしかありません。また再石灰化の力も弱いです。
当院では、お子様の虫歯を治療するだけでなく、お子様の健やかな成長を、歯科医の立場から支援していきます。
お子様の虫歯が一本もないときから受診をはじめ、お母さんと一緒になって、健康で丈夫な美しい歯を育てていただきたいと考えています。
虫歯予防のために
乳歯は一度虫歯になると痛磨でないこともあって、あっというまに進行します。受診することにはほとんどが、神経の近くまで進行しています。
仕上げ磨きをするときに、歯の表面が白っぽくなっていないか、黒くシミになっていないか、歯の溝が黄色くなっていないかなど観察してください。このような兆候は虫歯の始まりですから、この時点で受診されるとあまり削らず治療が簡単です。
日ごろから以下のことに気をつけてしっかり虫歯予防しましょう。
- 唾液がいつも循環するように、口を開けっぱなしにして乾かさない!
- 砂糖の代わりにパラチノースやアスパルテームなどの代替甘味料を使ったお菓子や野菜果物などを上手に利用しましょう。
- カルシウムやリン酸不足にならないよう、食事・運動に気をつけましょう。
- おやつは決められた時間に砂糖を控えてあたえましょう。
- 食べたらすぐ歯をみがきましょう。細菌は約5~10分で砂糖を分解しだします。
- 歯ブラシをしっかり上手にかけましょう。
- 歯みがきとは、食べカスをとるというより細菌をとるためのものと認識します。
- 細菌が集まりすぎると石のように硬い「歯石」となります。
- そうなってしまったら歯みがきではとれないので、必ず歯医者さんでとってもらうこと!
- だらだら食べたり・飲み続けない!
- 寝る前の歯みがきは、特にていねいにする。
歯医者での子どもの虫歯予防
虫歯を見つけるのは、1才半過ぎたら3ヵ月毎に小学2年生までつづけましょう。おとなの歯に比べて虫歯になりやすい子どもの歯。虫歯になるまえに予防しましょう。
1歳半ぐらいになったら、3ヵ月ごとに歯科健診を受け、フッ素を塗ってもらってください。虫歯になりやすいお子さんには、シーラントも有効です。
フッ素について
虫歯になりやすい歯の間と根元、噛み合わせの溝の3つのポイントを強化!
食後は必ず口内常在菌の作用でお口の中のPHが酸性になります。唾液はそれを弱アルカリにもどす作用があるのですが、歯間や根元の歯肉縁には効果が弱く、そのままでは唾液中のCaイオンによる再石灰化が起こりにくいのです。
そこで再石灰の時に重要な要素として働くフッ素イオンを用います。
Caイオンのかわりにフッ素イオンを取り込んだ歯質は、脱灰作用に対して強い抵抗力を示すので虫歯になりにくいのです。
ただし、フッ素は医師の指示のもとで行うようにしましょう。
乳歯が生え始めたらいつでもOKです。3ヵ月ごとに、8歳ぐらいまでは続けるといいでしょう。
シーラントについて
奥歯の噛み合わせの溝をまえもって埋めてしまおう!
奥歯には溝があり、食べかすやバイキンがたまりやすいのです。生えたばかりの歯は、溝が深く、そこから虫歯になりやすいので、その溝のなかを掃除してバイキンが入らないようにフッ素の入った樹脂で埋めます。
乳歯から行うといいのですが、6歳前後に生えてくる6才臼歯(第1大臼歯)は特に、生えてくるのに時間がかかり、歯肉に隠れている所が虫歯になりやすいのでこの時期の間食後の手入れは大切ですし、3ヵ月毎にフッ素コート、完全に生えてきたら、予防のためにシーラントしましょう。
この時期はまだまだ親のチェックも必要です。
必ずフロスは毎日、親がやってあげるといいでしょう。3ヵ月毎のクリニックケアも欠かせません。
年齢別子どもの虫歯予防
小児歯科で虫歯の予防や歯並びの検査をしていくことで成長期のさまざまなお口の疾患を防ぐことが可能です。虫歯が無くても前歯の永久歯が上二本、下四本生えてきたら、小児歯科専門医に診てもらいましょう。
年齢別ケア
0~1歳 |
乳歯が生え揃う前
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2~3歳 |
乳歯が生え揃う頃乳歯は、ほぼ生え揃います。
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4~5歳 |
乳歯が生え揃った後
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6~9歳 |
永久歯が生え始める頃第一大臼歯(六歳臼歯)と上顎切歯の予防
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9~11歳 |
永久歯に交換する頃上顎前歯の予防
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12~16歳 |
永久歯が生え揃った後第二大臼歯の予防
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定期歯科健診で歯並びに問題があると言われたら
歯は一生付き合っていく大切なものです。
せんげん通り歯科では、子どもの虫歯治療や虫歯予防だけでなく、矯正治療も行っています。